オキザリスのイメージカクテルを作ってもらいました




「キャラクターのイメージカクテルを作ってくれるBARがあるらしいぞ」

「そんなの行きたいに決まってるじゃないのよ」


……という勢いで、友達と一緒に『BAR 真鎖夜』さんへ行きました。

http://barmasaya.boy.jp/

楽しみにしすぎてお店のOPENより若干早めに着いてしまい、荻窪の街をむやみに歩き回ったのも良い思い出。


事前にオーダーシートにキャラクターの詳細情報を記入し、それを当日バーテンダーさんにお渡ししして、そのイメージに基づいたカクテルを作ってもらうという仕組み。当日その場で書くこともできるとのこと。
イメージカクテル以外にも、オリジナルの「宝石をイメージしたカクテル」等もあり、そちらもめちゃめちゃ綺麗で目に鮮やかです。

フォスフォフィライトとか「あ!これ宝石の国で名前見た!」っていうカクテルがいっぱい写真付きでメニューに載っていて、とても綺麗でよかった。



最初の一杯

イメージカクテルをお願いしたら、できあがるまでの間は最初の一杯を飲みながらダベって待ちます。
酒というアイテムは好きだがBARにはなかなか行く機会のない私と友人、最初の一杯にも悩む。バーテンダーさんが優しくおすすめを教えてくれました。

メニューに載っていないお酒も作れますよ、と伺ったので、友人はブラッディメアリーを注文。私は『サイバーパンク2077』に登場する『ジャッキー・ウェルズ』……作中に登場するレシピをよくよく聞いたらだいたいモスコミュール……のカクテルを飲んでみたかったので、モスコミュールをお願いしました。

(ジャッキーは主人公Vの相棒で陽気な頼れるナイスガイ。「俺をカクテルにするならこんなレシピにしてくれよな」というシーンがある)

友人はお酒好きなんだけど、私は日頃カクテルをソルティドッグ(しょっぱくておいしい)とカルーアミルク(甘くておいしい)くらいしか飲んだことがない。
初めてのモスコミュールもおいしかった! ライムがきいていて確かにこれはヴァレンティーノズっぽい味。ジンジャーエールをジンジャービアーにしたらまさにジャッキーだわ。お通しのナッツと生ハムとブラウニーの盛り合わせにもぴったりだった。





概念の概念を作ってもらう

とかいってオキザリスの前に既にジャッキーの概念を飲んでいるが、イメージカクテルとは、つまりキャラクター概念の具現化である。


オキザリスは拙作『重機のキララ』に登場するキャラクターで、主人公キララの脳内に埋め込まれた戦闘AI。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054894221141

超ビビりなサイボーグであるキララの身体を勝手に操作しては嫌がられているが、その印象はお話の中を通して結構変わる。声も姿もなく、キララとは脳内メッセージウインドウの中でやりとりをします。


小規模一次創作の小説作品のキャラクターとは、つまり作者である私自身が何とかどうにかしない限り、決して「供給」が生まれないということ……!! すなわち修羅の道。

しかもオキザリスは姿を持たないAIであり、ファンアートを作者本人が生み出すことすら難しい、ますます修羅の道。ビジュアルがなく、そもそも元の作品は小説(文章)で、その作中でもテキストチャットの返答という形だけで存在する……という概念オブ概念みたいなキャラクターなんである。
でも私はオキザリスのことがめちゃめちゃめちゃくちゃ大大大大好きなのであった。


そんな概念の塊であるAIのキャラクターを、自分以外の、しかもお酒のプロが表現してくれるっていうんだから、そりゃあもう……飲みたいじゃない!! オキザリス!!



そしてこれがイメージカクテル『オキザリス』だ!!

うわーーーーーーッッッッ!!!!!!!

うわーーーーーーーーーーッッッッ!!!!!!



イメージカクテルは、供される時にバーテンダーさんがそのコンセプトを全部丁寧に解説してくれます。なんとグラスやマドラーにまで意味合いが込められている……!! なんという……なんという夢のようなサービス……!!!!!!!



これがそのカクテル『オキザリス』の概要だ。

※あまりにも概念の具現化が概念すぎたため、「もう……もうこれはオキザリスがどういう奴かを知っている人だけわかってくれればいい……これはオキザリスの味……オキザリス…………うああ…………」という勢いで書いています。ご容赦ください。


〜〜カクテル『オキザリス』について〜〜

・実体を持たないAIを表現した、不定形っぽいぐにゃぐにゃの形のグラス。
(既にもうアツい。『AIだからなんかSF近未来っぽい細い真っ直ぐなグラス』とかではなく、『実体を持たない』ところをピックアップしてくれているのがアツい)


・「オキザリス」というお花の名前を示す枝のマドラー。
(ここがお花モチーフじゃなくてあえて枝なのがオキザリスみ!!)


・上層は無機質なガンメタルグレー、下層はオキザリス=カタバミの花を表すマゼンタピンクのグラデーション。

(ガンメタルグレーの色味があまりにもッ……絶妙でッ……完璧…………!!!!!)


・一見して無機質で冷酷なAIに見える、という部分を表現して、上層は度数の高いアブソリュートウォッカになっている。混ぜないで表層だけを飲むと、度がキツくてかなり刺激のある強い味。

(しかもそのガンメタルグレーがこの味なわけ???? ま まじでこれが…………オキザリス…………あまりにもオキザリスすぎる…………こんなにオキザリスな味なことある???? 最高です……………!!!!!!)


・いっぽうで、実際はキララの助けになりたいと願っているやさしさの味が下層に隠されている。マドラーで全体を混ぜると刺激が弱まり、飲みやすくなる。

(ウワアアアアアーーーーーッッッッッ!!!! オキザリスうーーーーーーッッッッッ!!!!!! もう言葉にならないよ どうしてそんなことができるんですか????)


・戦闘AIなのに苦手な会話を頑張ろうとしてるんだけど、トンチンカンなことを言いがちだし絵文字の使い方が下手……という憎めない一面を表現して、下層はちょっと甘口。甘みのあるマゼンタ色なピンクグレープフルーツと、キララとの絆を示すホワイトグレープのシロップでできている。

(グレープ(ブドウ)は身を寄せ合う果実が「絆」を表現してて、花言葉は「人間愛」「親切」「信頼」なんだって…………!!!!)



生のままのアブソリュートウォッカのキリッとした感じは「戦闘AI」って感じなんだけど、混ぜた後の状態も見た目には変わらず鮮やかなマゼンタピンクで、でも味は口当たりよく人間に寄り添う「親友」って感じになっていて……

本人(本AI)は最初からずっと変わってないんだけど人間側の見る場所によって印象ががらりと変わる、まさにオキザリスそのものであった……

もうこのカクテルをそのままアクリルキーホルダーとかにして身につけたいくらいオキザリスの概念そのままだった……

ありがとうバーテンダーさん…… ありがとうオキザリス……



さりげなく嬉しいのが、解説してくれる時に使ったお酒のボトルを後ろに沿えて紹介してくれる気遣い。写真をあとから見返したときにも味が思い出せて、とてもありがたいです。

友達のカクテルはキャラクター単体ではなくて『XXとXX』という組み合わせの概念だったんですが、そちらも激ヤバでした。カクテルに入っている氷の使い方にまで意味合いがあった……



お店も良ければ人も良い

ど平日のど日中に伺ったおかげか、この日は私・友達・バーテンダーさんの3人で話せるラッキーな時間がありました。

こちらもオーダーシートには相当の気合いを込めて書きこんだとはいえ、一体どうしてこんなにキャラクターのイメージ通りなんですか!? とお尋ねすると、バーテンダーさんも相当な『関係性のオタク』で、いろいろなジャンルのキャラクター(とその愛憎)に造詣が深いかたであることがお話の中で伝わってきました。クリエイターへのリスペクトにもあふれていてすごく素敵なかたでした。

物腰柔らかかつ気さくで話しやすく……というか、初めてお会いした気がしないくらい「あれ……こんなにこういう話をわかってくれるかたは身内でも相当珍しいぞ……」というくらい寄り添ってくれる「わかり手」で、お話が本当にめちゃくちゃ楽しかった! その後も好きなキャラクターやジャンルやコンテンツについて、かなりコアなお話に付き合っていただきました。

オーダーシートを書くときに「いきなり初対面の人に『こいつはAIです』とか書いたらややこしいよな……一旦人間ってことにしてわかりやすさを重視しようかな……?」とかなり悩んだのですが、バーテンダーさん曰く「人間ではないキャラクターはぜひその情報も書いてほしいです! お客様に納得いくカクテルにするには情報がたくさんあったほうが作りやすいので!」とのこと。うわー。AIですって書いてよかった。AI好きにやさしい。

BARとしても「普段お酒に馴染みのない人にも楽しんでほしい」というコンセプト通り本当に優しく、度数強めのお酒でもお客さんに合わせて割ってくれたり、味の好みにも優しく対応してくれる……!



飲んでみたいカクテルにも気軽にチャレンジできる

時間に若干余裕があったので、最後にもう一杯飲んでますますダベって帰った。

友人は「シティハンターのやつ」こと、XYZを注文。

私も「名前がなんかカッコイイ」という理由で前々から飲んでみたかったダイキリを注文。




「ダイキリってなんかサイバーパンク感あっていいな」と思っていたら出てきたのが鮮やかな蛍光グリーンでめちゃよかった。味も爽やかで「これは刺身に合いそうだな」と思った。
もう酔っぱらってたので思ったことそのまんま口に出したら、バーテンダーさんが「ダイキリは甘いラムを爽やかなライムで割ったものなので、お刺身に合わせるときはライムをカボスに変えたら和に合いそうですね」と仰っていた。それめっちゃ良いなあ……刺身と和ダイキリ、ぜひとも試してえな……と思った。

日頃あんまり食事中に酒を飲まない私(飲んでもソーセージにレモンビールとか)でも、こんな素敵な空間で味わったら酒飲みになりたくなっちゃうよ!!

こんなお店で飲めてまじでよかった。本当に行ってよかった。
私はしばらくオキザリスの味を噛み締めて泣きながら生きていきます。